産科医療補償制度について

ご挨拶

我が国の周産期医療については、関係者の努力や医療技術の進歩等により世界的に見ても新生児死亡率が低い状況にあります。
一方、産科医療分野では労働環境が過酷であることや、分娩時の医療事故において過失の有無が困難な場合が多いため医事紛争が多いことなどにより、分娩の扱いを取りやめる医療施設が多く、産科医療の提供が十分でない地域が生じていました。
また、産科医になることを希望する若手医師が減少していることなどの問題点が指摘され、産科医不足の改善や、産科医療提供体制の確保が、我が国の医療における優先度の高い重要な課題となっていました。
こうした課題を解決し、安心して産科医療を受けられる環境整備の一環として、産科医療補償制度の早期創設が求められ、2009年1月1日より公益財団法人日本医療機能評価機構が運営組織となり、医療分野における我が国初の無過失補償制度として産科医療補償制度が開始されました。

本制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺のお子様とその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、脳性麻痺発症の原因分析を行い、同じような事例の再発防止に資する情報を提供することなどにより、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図ることを目的としています。また、現在はほとんどの分娩機関に加入していただくなど、多くの関係者や社会のご理解によって支えられています。

現在、当機構では、補償申請に関する呼びかけを広く行っております。補償申請期限はお子様の満5歳の誕生日までであり、2011年生まれのお子様は2016年に、また2012年以降生まれのお子様も順次補償申請期限を迎えることとなります。このため、補償対象と考えられるお子様が満5歳の誕生日を過ぎたために補償を受けることができなくなる事態が生じることのないよう、一層の周知活動を進めているところであります。

本制度は、早期に創設するために限られたデータをもとに設計されたことなどから、「制度開始から遅くとも5年後を目処に、本制度の内容について検証し、適宜必要な見直しを行う」とされていました。そのため、近年の早産児を取り巻く周産期医療の進歩や在胎週数・出生体重ごとの脳性麻痺の発生率の傾向等をもとに見直しの議論が行われ、2015年1月以降に生まれたお子様の「補償対象となる脳性麻痺の基準」および1分娩あたりの掛金水準等について、改定を実施いたしました。

引き続き本制度の円滑な運営に向けて取り組んで参りますので、今後とも一層のご理解、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

理事・産科医療補償制度事業管理者 鈴木 英明

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